『今日の芸術』を読んでみて

いつもナイスな本情報を教えてくれる翻訳家の知人から久々に連絡があり、岡本太郎の『今日の芸術』凄い良いということで読みました。
岡本太郎氏のイメージは名言の「芸術は爆発だ」という、なかなか理解しがたいものだと思っていましたが、本を読んでみて超常識人で、話もごまかしの無く具体な文章でした。
例えば皆さんに届きやすい文章を短くまとめますと
※赤字は「今日の芸術」より抜粋
常に若い世代と古い権威は判断の対立があり、そのぶつかり合いの中でこそ新しい価値が創造され、歴史的にどちらにパワーがかかっているかで時代の起伏がわかる。
『世の中が新鮮で動的な時代は』、新しさが輝かしい魅力として受け入れられ、若さが希望的にクローズアップされる。
『動かない淀んだ時代は』、古い権威が新しいものを押さえつけ、自分達の陣営を固めようとします。

さて、今はどちらへパワーがかかっているか分かりますか?
あと一番の感動した箇所は、
常識・固定観念・処世術などに縛られている人間は多かれ少なかれみな無意識のうちに表面をつくり、自分自身を抑えています。
芸術の対象はその不自由な偽りの衣を脱ぎ捨ててしまったところにあるはずです。
絵はクイズのように隠された答えを当てはめる為に見るのではありません。
白紙でどんどんぶつかっていき、それによって古いおのれを脱皮し、精神を高めていくべきです。
優れた芸術家は、激しい意志と決意をもって既成の常識を否定し、時代を新しく創造していきます。
それは、芸術家がいままでの自分自身をも切りすて(自分自身の生皮を引き剥がすような戦い)、のり越えて、おそろしい未知の世界に、おのれを賭けていった成果なのです。
またそういう作品を鑑賞する場合は、こちらも作者と同じようにとどまっていないで駆け出さなければなりません。

苦労をおそれるな!常識にとらわれるな!自分を偽るな!とパワーをもらい、芸術の見方も大変ためになりました。
もっといろいろ書きたいけど、こういう良い本をみんな読みなさいよ。宜しく。
そして、この本を丁寧に最後まで読み、思ったこと。
やっぱりエレカシの宮本さんは希少な本物だった!!さすが私、見る目ある。

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