一緒に農業やっている師匠から薦められ、
【黙示】真山仁 著
を読んでみました。
ハゲタカは2年前くらいに興味があり、読んだことがありましたが、それ以来ではあります。
丁寧な取材の後にどちらを批判するわけでもなく様々な視点で書かれていて、非常に気持ちよく面白く拝見しました。
新しい農業システムを考える時期にはピッタリの本かと思います。
この方もきっと、レイチェル・カーソン好きなんだなぁ。と伝わってきました。
エネルギーを研究している友達が熱弁していた、マグマも読んでみたいです。
今後の農薬やGMO(遺伝子組換え技術によって品種改良された生物)のあり方に関し、考える切欠を与えながらも、日本の農業に必要なことで伝えたかったことは↓じゃないかと思います。
①農産物の輸出
・生産量を拡大できる環境を築き、日本で必要とされる自給率を確保した上での農産物の輸出。
・農水相に輸出専門の部局が必要
・豊富な農林水産物を活かし、食品・バイオなどの研究開発機能や企業を集積させる【フードバレー】
・生産地からスムーズに輸出する為に必要な国際空港、港、インフラ整備の充実が必要
②TPP問題
TPPでは日本に安い農産物が輸入され、日本の農業が壊滅するという懸念ばかりが取り沙汰される。だか、未来を見据えるならば、各国の輸出規制が拡大しつつある点でも「いずれ世界中が水と食糧を奪い合うようになる」地球規模の食糧危機や水の枯渇という不足要因や日本の農産物が中国などに買い漁られるリスクも軽視してはいけない。
③原村での生活、問題点
都会育ちが原村での生活に憧れて移住しても、農地を借りたり、地元の方の信頼を得て土地に馴染むには気の遠くなる時間が必要で、意欲的な若い農家が入る余地は生まれない。
他国が山や水源を買っている現実の次は、休耕田を買い占めることは想定されないのか。その前に日本の若者や地域に畑を活用させませんか。
④野生種の保存、種苗の知財問題
最近「原種の保存が大事だ」とはよく聞きますが、どうして大事なのかはわかりませんでした。なんとなく個人的な考えでは、実は大きく美味しく沢山収穫できるように品種改良されつづけて、農薬などで守ってあげないとまともに実りを作らない作物に人間が改良してしまっており、野生種はそれらを必要としない力強さが種にあるのではないかと勝手な予想で考えています。
年内に実験してみたいと思います。
あとは動物保護と同じで日本本来の種を消えさせるわけにはいかないと保存に努めてくださっているのかと思います。
安倍内閣が打ち出す農政には、参院選での支持基盤票固めだけの成長戦略なのでしょうか。
あそこまで無謀に急ぐ理由は他にあるような気がするのは私の考えすぎでしょうか。
《追記》
種は自家採種を毎年継続していくことによって、その種から育った作物は、その土地への適応能力、品質が向上していくそうです。
なるほど〜
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